トイレ掃除で身につくのは、トイレ掃除の能力ではないかという話。
元ネタ
運を実力にするために実践したこと
— しょう┃愛妻キャリア🌹 (@Sho_W_career) 2020年11月26日
①朝一出社
②毎朝トイレ掃除
③挨拶,返事は気持ちよく
④落ちてるゴミや空き缶を見逃さない
⑤上席との会食は呼ばれてなくても参加
⑥全体発信の連絡は一番に返信
⑦依頼は即着手,即提出
やるからには当たり前以上に継続すること。突き抜けるのに特別な能力は不要
ツイッターの似顔絵アカウントの人が、「運を実力にするために実践したこと」と称してトイレ掃除を掲げている。
さすがにおかしいだろうと思った人は私だけではなく、TL上で多くのツッコミが観測された。
抽象化すると、実力をつけるという目的と、トイレ掃除という手段がまったく一致していないのである。
これくらいに差があると笑い話なのだが、系統が近いと間違うことが多い。よくある目的と手段の不一致を紹介したいと思う。
皆さんが当てはまっていないことを祈りたい。
定期試験と大学入試
田舎の高校に通っていた人は思い当たる節があると思うが、非進学校では定期試験と大学入試の内容が一致していない。
どんなに頑張って定期試験の勉強をしても、受験勉強をしないと大学には受からないのである。
勉強をしたのにマーチに受からなかったという人は、要するに入試合格という目的と、定期試験の勉強という手段が一致していないのである。
筆記試験と就職活動
これもよくある間違いで、筆記試験の点数が高いと一流企業から内定が取れると考えている人がいる。
残念ながら、会社が求めているのは筆記試験の点数が高い人ではなく、仕事ができそうな人なので、仕事の勉強をしないと内定は取れない。
筆記試験の点数という成果ですら関係ないのだから、筆記試験の勉強を頑張ったとかいうプロセスはなおさら関係ない。
資格試験と仕事
士業や証券外務員のような免許は別として、資格試験の合否と仕事能力は必ずしも一致しない。
よく分かりやすく言えば、仕事に必要な知識と、資格試験の出題範囲は必ずしも一致しない。仕事には経験も必要だが資格試験では業務経験は積めない。
稼げる仕事とクールな仕事
クールな仕事がしたいのに、稼げる仕事を選んでしまうケースがある。「待遇に不満はないけど、仕事がつまらない」という悩みは、大企業の若手にはかなり多いのではないだろうか。
逆もある。お金が欲しかったのに、かっこいい響きの仕事を選んでしまうとか、面白そうな仕事を選んでしまうとか、そういった手段と目的の不一致が起こる。
地位と幸福
私が常々言っていることだが、お金や地位があれば幸福になれると考えている人がいる。地位やお金を求めて競争をしておいて、なかなか幸福になれないと嘆いているエリートは少なくない。
幸福という目的と、競争という手段が一致していないのである。競争が手段になるのは地位やお金である。もちろん、幸福より地位のほうが重要な人はいるし、地位を目的に地位を得るのなら手段と目的が一致している。
運動と健康
健康になることを目的に運動をしている人がいるが、おそらく食事と睡眠のほうがはるかに重要度が高い。
睡眠時間を削って仕事をしたりしていたら、どんなに運動をしても永遠に健康になることはないだろう。
所感
このような目的と手段の不一致は人生のいたるところで生じていると思う。
些細なものであればあるほど気づきにくい。目的のある行動をするときは、手段の選択をすごく丁寧に行おうと思っている。
ただ、四六時中目的をもって行動すると疲れるだろうから、ときには目的を持たずにだらだらと過ごすのもよいのではないかと思う。